ドリーミングキャットタロットと悲壮感が漂わない猫たち

ドリーミング・キャット・タロットと悲壮感が漂わない猫たち

タロットカードといえば、絵が怖いというイメージをお持ちの方もいるのではないでしょうか。カード自体には良い悪い、吉兆はないとされていますが、暗い描写の絵を見ると不安になったり落ち込んだり…という方もいらっしゃるのでは。今回の記事では、ウエイト・スミス版では怖い、暗い、悲壮な印象を受けるカードと、ファンシーで呑気な猫タロットの描写を比較していきます。

怖いカードの代表格・死は髑髏と死体と黒い旗がとにかくなんか怖いです。マルセイユ版だと骸骨が鎌を持ってて、もっと不気味です。ただ、このカードが出たら誰か死ぬとか不吉とかそういうことではないのです。太陽も昇っていますし。

猫タロットではオリジナルよりすっきりとした表現になっています。骸骨の騎士は黒猫になり、馬の足元に転がる皇帝の死体は王冠のみで表現されています。右手前の乙女の気を失っておらず、黒猫を歓迎しているように見えます。右奥の太陽も、はっきりと太陽とわかるように大きめに描かれています。

悪魔

悪魔のカードは、とにかく悪魔(メンデスの角を持つ山羊)が怖いです。人間(堕落したアダムとイブ)も鎖でつながれて自由を奪われ、ツノと尻尾が生えて悪魔に近づいているようです。

猫タロットでは悪魔は羽が生えた大きな黒猫になっています。足下の2匹の猫たちを見守っているようにも見えます。2匹の小さな猫は…だらだらしています。堕落した…といえば原典どおりではありますが、猫タロットの方が幸せそうに見えます。

塔のカードは「バベルの塔」という神話がモチーフとされています。神を超えようと塔を建設した人間たちに神が怒り、雷を落とすというお話です。(ウエイトは否定していますが、塔のカード自体はウエイト・スミス版の発行より以前に存在しています)この絵から、急降下、転落、破滅をイメージする方も多いのではないでしょうか。

猫タロットでは塔がメルヘンなキャットタワーになっていますね。右奥に雷のようなものは表現されていますが、猫は淡々とキャットタワーを降りていきます。ピンチをものともしない軽快さを感じます。

ソードのⅡ

ソードのⅡは闇夜に目隠しをされた女性が2本の剣を持って椅子に座っている不可思議な状況を描いたカードです。占いで使う時はバランスを取る、現状維持、中立と決して悪い意味ではないのですが、異様な情景から、彼女は迫害されているのでは?次の瞬間、自傷行為に及ぶのでは?と想像してしまうカードです。

猫タロットでは、ふかふかのクッションの上でうつぶせになっています。目隠しは自分の手で表現されていて、剣は宙に浮いていて持っていません。なんにもやりたくない、面倒なことから全力で目を背けたい、ただただ眠っていたい、放っておいてよ、といった猫の声が聞こえてきそうなカードです。

ソードのⅧ

お城から追放され、目隠しをされ縛られた女性が描かれています。束縛はゆるく、前には進むことができる、とされていますがたくさんの剣と縛られた女性の絵から、明るいイメージを持つことは難しいカードです。

猫タロットでは、目隠しはされておらず毛糸とじゃれています。ふかふかそうなキャンディ型のクッションにもたれかかっていて、遊んでいたらこうなっちゃった…といった雰囲気のおちゃめな様子です。ソードも刃の部分が短く、ピンクのリボンで威圧感が出ないように描かれています。

ソードのⅨ

ソードのⅨには夜も眠れない程に不安と絶望に襲われる人が描かれています。とても辛そうにしていらっしゃいますね。

猫タロットは、これ寝てますね。さっきまで寝てました。猫は不眠は絶望とは無縁なのでしょうか。

ソードのⅩ

悲壮なカードの代表といえば、ソードのⅨ!たくさんの剣がぐさぐさ~っとささっていて、こりゃ生きているわけないわ…こんな荒れ地で息絶えて可哀そう…なカードです。占いの時は状況に応じて色々なメッセージが受け取れるカードなのであまり嫌わないであげてください。

猫タロットは、まず剣がささってないですね。剣がささってない。のでにゃんにゃんとゴロゴロしています。

ペンタクルのⅤ

貧しく、不良した二人が雪降る中を歩いています。ボロボロな服を着て裸足で歩いていることから困窮していることが伝わってきます。

猫タロットでは、2匹の猫が仲良く楽しそうにお散歩しているように見えます。猫はもともと服を着ないし、普段から外で生活していますからね。。。

まとめ

オリジナルの意味も、もちろん大切ですが「タロットは絵が怖くて近寄りがたい」という方は今回ご紹介した猫タロットのように悲惨な描写を極力おさえたカードから慣れていってはいかがでしょうか。

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